我如古地下放送局

沖縄は安里のG-shelter でスタッフやってます。平日リーマン。毎日我如古。

MOROHAワンマンライブ「単独」@リキッドルームの話

いつでもこんばんは、ハイナです。

 

 

 

先週日曜日5/29に、恵比寿はリキッドルーム
開催されたMOROHAワンマンライブ「単独」に行ってきました。

 

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諸事情により開場の2時間前から開場入りし(文末のおまけ参照)、2階の物販ブースの付近でお客さんを眺めながら開演を待っていたのですが来場されたお客さんの幅の広いこと広いこと。高校生からその親御さんほどの年齢の方々がそわそわワクワクしながら物販を眺めていたのに驚きましたし、めちゃめちゃおしゃれな女の子から、友だちいなそうなモサい感じの男の子がひとりでうろちょろしている感じが非常に良かったです。
MOROHAの音楽の射程範囲の広さがもろに出ている客層でした。

(しかし、ヘッズが極々わずかだったのは意外でした。もしかしたら細めなHIP HOPファッションの人達だったかもしれない。)

 

で、開演前にも色々ありましたがそれは後述するとして、ギリギリの時間にフロアに入ると1,000人キャパと言われているリキッドルームがすし詰め状態!それもそのはず、この日の公演はチケットがソールドアウトしてたんですね。

いま勢いに乗っているとはいえ、無謀とも思えたリキッドルームのワンマンライブは、MOROHAのひた向きな活動や戦略的にも思えるほどの強力なTVプロモーションが功を奏したのか、特定のシーンの集結というよりも、あちこちの人が時間とお金を作って一枚一枚チケットを買っていった結果を集めて5/29にリキッドルームに大集合したのでしょう。

この事実で既にグッと来るしなによりバンドマンやラッパーなどの表現者の希望となるような結果だと思います。

 

 

それでそれで、開演時間となりめちゃめちゃシンプルなステージにギターのUKが現れ、歓声が上がりMCのアフロが登場し、さらに高まった歓声が上がりました。

演奏に入る前にフロアが静かになったときに、「モロハー!ワンマンライブおめでとう!」みたいな声が響くもののアフロもUKも全く反応せずに、ひと呼吸おいて演奏を始めたのが非常にクールでした。

 

演奏が始まると、1,000人収容の大きさを感じないほどしっかりと聞こえるマイクの息づかいや繊細で消え入りそうなほど抑えられたアルペジオのニュアンスも聞こえ、さすがリキッドルーム音質。そして、ギターのボディに肘を叩き付けて鳴らす低音はビクッとするほど音圧がありました。

ギターとMCの2人の構成は見た目がシンプルなのですが、この音響で見るとめちゃめちゃテクニカルなリズムとメロディーが絡み合って出来ていることがよくわかります。
音の隙間が特にカッコいい。

 

ワンマンライブなので、バラードを挟みつつゆっくり時間をかけて構成するのかと思ってましたが初めから飛ばしまくった選曲とテンションだったので「マジで失礼しました!」と思いつつ、ハイなペースと今までの活動とこれからの景色(ビジョン)を高濃度に詰め込んだMCにぐんぐん引き込まれ圧巻の90分が過ぎ去っていきました。

 

ーーー

 

過去の沖縄でのライブの経験から察するに、今回の公演の前には「MOROHAは対バンイベントのほうが輝くのでは?」と思っていたのですが、まさに曲間のMCでそのことに言及し、明確に否定してましたね。
「他の場所他の町で今、まさに今この今、ほかの強者ミュージシャンがあちこちのライブハウスやコンサート会場で演奏してて、そこよりも俺のがヤバい!」みたいなコト言ってました。

まーそれは上手いこといったと思いますが、私が今回彼らのヤバさに気がついたというか、打ち抜かれたのはこのような彼らのビックマウスっぷりなどではなく、彼らなりのHIP HOPにおけるサンプリング文化の利用方法でした。

 

前提としてざっくりと特徴な点を説明すると、HIP HOPには「サンプリング」と呼ばれる方法論があって。過去の音楽のアーカイブスを掘り出して一部を切ったり貼ったりこすったりしながら鳴らしつつ、自分のリリックを重ね全く新しい表現を生み出す手法があります。

つまり、過去の音楽の上に自分の音楽やリリックを重ねることで、過去も現在もフレッシュ!に輝かせる手法が「サンプリング」なんです。

 

そして、MOROHAが選んだ表現手法は、過去のレコードではなく、過去の自身の経験をベースにいまのリリックを重ねることで辛かった、悔しかった、やるせなかった過去ごと輝かせるという、人生や感情をサンプリングした音楽手法なのだと気づきました。

そして今回のライブ本編でもアフロがMCで「MOROHA音楽を聴いて感動した、とか泣いた!ということを言ってくれたりするけど、それは違うと思う。ふがいない自分に悔しかったり、遣り切れない自分に泣いているだけだろう!」というようなことを言ってました。これはフレッシュ!

 

その言葉が向けられた瞬間、ステージに向けられていた照明が逆光になり、ステージ上からフロアを照らす形で来場した人達に光が向けられました。逆光の中でアフロは「悔しいだろ!不甲斐ないんだろ?だからこの曲で泣いてるんだろ?」観客を問いただし、UKはその日一番強いストロークでギターをかき鳴らしてました。

すると、フロアのあちこちから止めどない涙が溢れてて、ステージとフロアは反転。
音楽がフロアにいる一人一人の為に鳴らされていることを音響的にも視覚的にも表現されていて、あの段取りはマジで強力すぎてズルいと思うし、これだけのダイナミックな演出はワンマンライブだから出来るよなーっと思いながら私の目にも涙が溢れて・・・・・いたような気がします。




聴衆の過去をサンプリングソースにしてマイクとギターでふるわせて、感情を呼び起こす。まさに「ビートはあなたの心臓音、ON!ON!ON!」ってやつですね、このMCを聞いてばっちりと繋がりました。
ジャンルとか曲の歴史とか演奏手法とか文脈とかとかとかとかとか、ハイコンテクストかつ細かくセパレートされているような状況を全部ぶっ飛ばして、観客の感情や琴線にダイレクトに直結させる手法はすごい!

だってみんなそれぞれ自分自身の思い出に関しての造詣は深いもの!過去が全体重かけて今の自分をぶん殴ってるようなアフロのエールはそりゃー強力ですわよ!!!

 

 

他にもライブで感じたのは
「新曲のフライヤーマンでギターブレイクしている時のAFROのラップが、いままでに無いくらいに今の日本のラップーシーンのモードに近づいているよな?」とか
「即興的な要素を排して、演劇的にもみえるようなステージングできっちり感情をかっさらうのSWAGを8年のロングラン公演で続けているのって演劇シーンとして見ても熱くない?」とかとか。

全然知らないくせに大げさなことを考えたりしましたが、「色んな視点での解釈の余地があるのですごい」ってコトが総合的な感想です。

 

 

とはいえ、MOROHAまだまだこれからだし、本人達はもっとすごい景色を見たい+お客さんと共有したいって想いがあるでしょうけれども、今回リキッドルームを満杯に出来たことは本人達はもちろん、ファンの皆様もいちいち喜ぶべき!と思ってます。

なによりシンプルだけど特殊な編成で、踊らせる訳でもシンガロンさせる訳でもない音楽を武器にしてどこまでいけるのかは、みんな楽しみにしているのでこれからもまだまだ山積みな彼らのやりたいことはIT'S A HISTORY CALLED BOOK OF LIFE/I JUST RELEASE MYSELF TO GO UP ABOVEな感じで、新しいフェーズに入ったMOROHAを楽しみにしたいですね!

(ゆれるみたいなアンセムだしてくれーーーーー)

 

 

 

 

おまけ

当日私はMOROHAの物販コーナーの片隅で、「日本グレーゾーン」というUKとエリザベス宮地制作のドキュメンタリーDVDのワンマン販売を行ないました!

監督に150枚の販売という過酷なノルマを課せられたのですが、大騒ぎしながら対面販売して無事にノルマを超えるハイスコアをたたき出し、メンバー一同、スタッフ一同をビビらせることが出来たのでそれはそれで楽しかったです!