我如古地下放送局

沖縄のタイポップDJ。平日リーマン。G-shelterスタッフ毎日我如古(だった)

りんご音楽祭2022出演のこと

りんご音楽祭 2022/9/23〜25に参加し出演しましたので、特に印象に残ったことの記録を報告いたします。
今まで7年間で合計28ステージくらいバックDJやらタイポップDJやらトークショーなどで出演してきましたが、きちんとテキストにまとめてなかったので今回こそはと思い、極々個人的なレポートですが、個人的なレポートこそ読みたくね?伝えたくね?という動機で取引先からのメール返信待ちの時間とお昼休みを駆使し書きました。
 

■事前の公式情報は本当に素晴らしかった

今回のりんご音楽祭でとても楽しかったのが、事前にpodcastで展開されていたココが変だよ!りんご音楽祭
メインとなる長崎さんのセンスではないタイトルは、りんごや主催に対するクレームな不満をひっくり返すようなトンチのタイトルだとは思いますが、あの番組のフォーマットまで考えるとステレオタイプ強化された世代なので、受け入れ難い。内容はマジで最高のプログラム。
りんごに関わる様々な方々のりんご音楽祭の特徴をウェットにドライに説明していることが、他のイベントとの違いを浮き上がらせる内容になっていて、りんご音楽祭への参加の可否を問わずに2015年以降のフェスやクラブイベントの推移を感じる音声コンテンツだと感じます。
特に、志村さんが話していた「フェスのガワを偽装して、コアなパーティーを街中で鳴らす」という見立てがめっちゃよかった
 
その音声コンテンツおかげで、沖縄からの参加が成田や名古屋からではないアプローチを検討できたことや(後述)、友人にイベントを紹介する上で最高のサブテキストになったのが特に助かりました。
 
 

■台風の影響で目的不達成

りんご音楽祭の5日前から突如発達した台風で当日の開催が危ぶまれましたが、皆さんの日毎の行いが良かったり悪かったりする影響は全く関係なく、無事に開催できたことは天に感謝。
私はKIKIを見たくって、土曜日の早朝便で神戸に行き、新幹線と特急を駆使して無事にギリギリ間に合うはずだったのですが、台風の影響で新幹線が折り返し運転となり、目的の電車に間に合う名古屋着の時間が3分遅れてしまって残念ながら目的は達成できずでした。(あの状況で答えのルートがあったなら後学のために知りたいではある。)
 
しかし着いたら着いたで、久しぶりの方々や沖縄から乗り込んだいつものメンツを見かけたり、見たかったライブやプレイを堪能できて、ごく一部の道のぬかるみ以外は至極快適な土曜日でした。金曜日の大雨を乗り越えたパーティーピープル(≠パリピ)は顔つきが違いました。
 
 
 
 
下記、細かいトピックです。
 

■little rockers in きのこステージ

今年のりんご音楽祭のトピックとしては、きのこステージが東京-沖縄のハコの連続キュレーションの舞台になったこと。
沖縄からは、私自身も遊びに行く機会もプレイする機会も多い「little rockers」がバーカウンターのスタッフごと乗り込んで、キュレーションするなんて面白い試み!
沖縄ローカルの様々なプレイヤーや「little rockers」のスタッフが大挙してりんご音楽祭にいることもアガるのですが、LEF!!!CREW!!!ことWSZ80が、プレイヤー → LEF!!!TACOS!!!を経て、キュレーター&プレイヤーとしてまさにその場所きのこステージにいる変遷も面白いです。
 
他にもThe hypesメンバーとしてringo a go goで出演枠を勝ち取り、その後におやきステージを経験するもバンドがなくなってしまったEijiHarrisonも自身の創作活動の成果を出して、見事にコンポーザー&DJとしてきのこステージに返り咲いたのも、友人としてアガるストーリーでした。彼の実際のプレイも良かったし、集まる人数どうこうではなく素晴らしいプレイでフロアをダンスに巻き込んでいたのもりんごの参加者にハマってた。
20代のプレイヤーが多くなってきた那覇-北谷の夜遊びの勢いが召喚された現場に、沖縄ローカルの下支えを長年続けているDJ KIMの照明&メンタル&酒飲みのバックアップがあるのも心強かったですね。遊び方も半端ない&長い先輩方なのでテキーラ&ハブ酒渦に飲み込まれないように遊んでました。
 
 
 

■MC i knowと宙J FDFANTA汁CHILLSTASKIさんの交差点

 
朝早くからMC i knowの出番だしリハができたのはありがたいので、マスタリング環境が違うトラックをフロアで確認できる貴重な機会を、バックDJとして逃さないように頑張って早起きしました。MC i knowとお互いの起床報告ラインを送りあったり待ち合わせ場所を工夫したりして無事にリハに間に合い、久々のPAさんたちの寅壱ズボンを褒めたりして和やかに音響チェック完了。
 
リハ終了後にわさびステージに立ち寄り、むぎ(猫)のライブを見て、何十回と聞いたはずの曲「天国かもしれない」が晴れた日曜日の朝の環境とここ何年かの社会状況やこれから息子から見えるであろう生活を想像することとマッチしてとてもグッときて涙ぐみつつ、おやきステージに戻る。
その日のおやきステージのトップの出番の『宙J FDFANTA汁CHILLSTASKI(以下、チバさん)』さんが異様なデコレーションの中で全くビートの違うヴァイナルを二枚使い(?)するプレイで数人のフロアはニヤニヤするばかりで面白かったのはいいのですが、転換開始時間になっても全くプレイをやめるそぶりがなく、集中して音楽世界を構築しているプレイヤーに横槍入れたくないので私も静観していました。
 
しかし、予定時間を5分過ぎても様子が変わらないので流石にPAさんに伝達。PAさんたちも予期していなかったようで慌ててステージに駆け寄り時間を伝えていただいて私もブースにin。それで無事に終わらないのがりんごの魔力で、MC i knowのプレイ時間になっても断続的なうめき声のレコードをプレイなさってて、流石に「そろそろ始めますね」と伝えると、チバさんはちょっと間を置いて「どうぞ」とおっしゃるのでした。(その時にうめき声は鳴り止んでいない)
その返答にテンションがブチ上がりまくって、そのままうめき声に被せて1曲目を再生するとi knowのトラックとクロスフェードしながらチバさんのうめき声プレイがゆっくりと終わっていくのでした。マジで楽しい。
その後、異様なデコレーションが撤収される様子を背景にi knowのライブは進み、朝一からお客さんも集まってくれました。

コンビ停止後に凹んでいたi knowがメロウな部屋でソロ楽曲の制作に打ち込んでいた時期を経て、なんだか知らないけどいつの間にか本人のパワーが上がったことに伴い、楽曲ごと外に向かって進み出した2022年のこの年に、その楽曲群(aka.日々の生活!)がアルプス公園に染みていく様子にちょっと感動していました。
ライブの中盤にデコレーションの片付けが終わったチバさんが「やっぱり面白いね、大丈夫!またすぐに人気が出るよ」と耳打ちしてくれたことが、なんのことかわかるようなわかんないような気がしてさらにテンション上がりました。
 

プリミティブな楽屋で本番への集中力を高めているMC i know
 

■DJ 817 in Red Bull EVO STAGE

私くらいの無名DJのアウェー戦としては、プレイ中のフロアを耕してくれる友人の存在は不可欠。
前日から会場や中夜祭会場で友人たちを見かけるたびに「DJ817を見てほしい」と伝えましたが、昼からの出演であることを伝えるとみんなヘラヘラするばかりで感触がない、「起きれたら行くよ」などの社交辞令も言わない。逆の立場になって考えてみれば俺だってヘラヘラするしかないかも。
移動疲れや中夜祭からの復帰が昼にできるわけもない、松本駅前でゆったりしたすぎるから。パーティーピープルの朝は遅い。
それでも、沖縄No1タイポップDJ(暫定)の責任として、その場に感じたことのない異様な空間を作ることに集中するべく中夜祭を切り上げて、ホテルで最終の選曲作業。

ここ3年くらいはお昼の時間にDJする機会がなかったこともあり、ピンやケーンのボリュームが大きいラムシンやロットへーのコンピに入っているような楽曲で気持ちよくなったりしたりで考えていたのですが、本番の5日前に今年かけまくったり聴きまくっていたモーラム『インテン・ゲーオブアラー』さんの訃報を聞き、候補リストを組み替えました。
 
 
当日は、主流な動線にあるステージでの出演機会をいただき、さらにタイ発祥のエナドリred bullを冠としたステージとなると当然気合が入ります。(注釈:1)
 
始まってみれば金曜日の雨を乗り越えた猛者たちや、りんごきっかけで友人になった人たちが十数名フロアにいらっしゃり、別々の街から別々の事情を整理して、安くはないお金と短くない時間を掛けて集った人たちと私が大好きなタイ楽曲を聞きながら機嫌よく過ごせるのはとにかく最高ですね。
ちょっと訃報に引っ張られている気持ちがありましたが、それぞれの人生にはそれぞれのストラグルがあるだろうし、事情を知らないにせよ物理的な人間が同じ場所を共にする素晴らしいりんご音楽祭のような機会で瞬間瞬間を楽しむしかないよね。
 
プレイ中は(本当に本当に最高なことに)フロアはフロアとしてプレイしている私を見ずにダンスが成立している瞬間が何度もあって、行き交う人たちがニヤニヤしながらその様子を楽しんだりと、DJキャリアでも最高の景色になっていました。
肝心の楽曲はフルで掛けつつもフロアの様子が良すぎて思わず当初の計画をすっ飛ばして、サイヨーとかmilliのブートremixとかごっつい感じの曲をかけたんだけど、ばっちりハマってくれてよかったです。
プレイの最後にsuper bang!で締めつつG-shelterで何度も出演したせのしすたぁにパスするときに、今まではハコのPAとして関わっている私がプレイヤーとして彼女たちの登場を演出できたこともとても嬉しい出来事した。その後めちゃめちゃぶちかましてたし、しなやかで力強いチームだと再実感。
 
出演後に物販ブースで声かけしてくれながら、手刷りしたDJ817の物販を購入いただいた方々本当にありがとうございますこれでどうにか賄えます。さらに光栄なことに数枚のお代わりオーダーもいただきましたが、もう本当に大変なのでロングTシャツは再生産せずにTシャツにしますので、別途ご連絡差し上げます。
 

G-shelter作業場にてシルクスクリーン印刷中のグッズ
 

■りんごで知り合った友人と、まだりんごに行ったことのないその友人たちへ

私は2015年から連続して参加しているのでりんご音楽祭には詳しいと思うのですが、今回初参加した友達としばらく一緒に歩いたことで、彼がりんご音楽祭のスタッフのチアフルさや、カラオケブースを見つけた時に爆笑&感動しているリアクションに触れることができ、そのフレッシュな反応のおかげで私自身が初参加した時に感動した気持ちが再度湧き上がってきて最高。りんごに複数回参加している方々におきましても音声コンテンツやnoteを参照資料として勧めつつ、まだ参加したことのない友達を誘うのはとてもいいことだと思います。
今年はまだチケットあったみたいだったし、皆さんの友人が楽しめる席には余裕がありそうなので。
 
266組の出演者が集ったってことは、<4.7383813e+18>通り(6ステージ3組が同時に進行している前提で、1ステージの1日の枠は8枠とする)のりんご音楽祭体験がそれぞれにあって。
自分の生活の中での楽曲の体験を踏まえると、参加者全員が違う体験をしているものなのですが、あれだけの人が集うということは、松本の街の素晴らしさやイベント自体のブッキングから垣間見えるアティテュードへの賭けに乗った人たちがこんなにもいるということなので、続いて欲しいものですね。そしてどっかのタイミングでまだ会ってない友人と邂逅し、乾杯できることを願ってやみませんので、私も私で今日も仕事終わらして家のことやりつつタイ語学習とタイ音楽の探求を続けます。
 
この先、また会いましょうー
 

DJ 817のプレイを背景に写真を撮る人々の様子
 
 
追記
あと、プレイ後にtwitterエゴサしてもリアクション皆無なのにインスタでフォロワー15人も増えたのでなんかそういう感じなんすね今。
 
※注釈1
タイ国内でのred bull創業一族の暴挙の数々にはもちろんムカついてますが、ビジネスドメイン的に今回のステージとは無関係なので怒りを鎮める。