我如古地下放送局

沖縄のタイポップDJ。平日リーマン。G-shelterスタッフ毎日我如古(だった)

メロウ

 速すぎることもなく、遅すぎるわけではなくて。体にリズムが満ち満ちているように感じるとき。

 はじめから、圧倒されているわけじゃないけれど、ある瞬間からふと「それ」に飲み込まれていることに気がついたとき。

 じんわりとメロディーが染み込んできて、自然と体が動き出してしまう、その時。





 まるで、静かな映画のエンドロールみたく。

 まるで、きれいな文庫本の最後の3ページみたく。

 まるで、あの娘がうつむいて少し笑うときみたく。




 僕の感情を流れている血液が、ゆっくりとしたビートを湛えながら、体中に「メロウ」をゆきわたらせるのです。






  そして。

 上がりすぎることなく、下がりすぎることなく、その緩やかな波形はどんどん曖昧になって、やがて僕は眠ります。


 おやすみなさい。

 

(2006/4/20)