我如古地下放送局

沖縄のタイポップDJ。平日リーマン。G-shelterスタッフ毎日我如古(だった)

MOROHAワンマンライブ「単独」@リキッドルームの話

いつでもこんばんは、ハイナです。

 

 

 

先週日曜日5/29に、恵比寿はリキッドルーム
開催されたMOROHAワンマンライブ「単独」に行ってきました。

 

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諸事情により開場の2時間前から開場入りし(文末のおまけ参照)、2階の物販ブースの付近でお客さんを眺めながら開演を待っていたのですが来場されたお客さんの幅の広いこと広いこと。高校生からその親御さんほどの年齢の方々がそわそわワクワクしながら物販を眺めていたのに驚きましたし、めちゃめちゃおしゃれな女の子から、友だちいなそうなモサい感じの男の子がひとりでうろちょろしている感じが非常に良かったです。
MOROHAの音楽の射程範囲の広さがもろに出ている客層でした。

(しかし、ヘッズが極々わずかだったのは意外でした。もしかしたら細めなHIP HOPファッションの人達だったかもしれない。)

 

で、開演前にも色々ありましたがそれは後述するとして、ギリギリの時間にフロアに入ると1,000人キャパと言われているリキッドルームがすし詰め状態!それもそのはず、この日の公演はチケットがソールドアウトしてたんですね。

いま勢いに乗っているとはいえ、無謀とも思えたリキッドルームのワンマンライブは、MOROHAのひた向きな活動や戦略的にも思えるほどの強力なTVプロモーションが功を奏したのか、特定のシーンの集結というよりも、あちこちの人が時間とお金を作って一枚一枚チケットを買っていった結果を集めて5/29にリキッドルームに大集合したのでしょう。

この事実で既にグッと来るしなによりバンドマンやラッパーなどの表現者の希望となるような結果だと思います。

 

 

それでそれで、開演時間となりめちゃめちゃシンプルなステージにギターのUKが現れ、歓声が上がりMCのアフロが登場し、さらに高まった歓声が上がりました。

演奏に入る前にフロアが静かになったときに、「モロハー!ワンマンライブおめでとう!」みたいな声が響くもののアフロもUKも全く反応せずに、ひと呼吸おいて演奏を始めたのが非常にクールでした。

 

演奏が始まると、1,000人収容の大きさを感じないほどしっかりと聞こえるマイクの息づかいや繊細で消え入りそうなほど抑えられたアルペジオのニュアンスも聞こえ、さすがリキッドルーム音質。そして、ギターのボディに肘を叩き付けて鳴らす低音はビクッとするほど音圧がありました。

ギターとMCの2人の構成は見た目がシンプルなのですが、この音響で見るとめちゃめちゃテクニカルなリズムとメロディーが絡み合って出来ていることがよくわかります。
音の隙間が特にカッコいい。

 

ワンマンライブなので、バラードを挟みつつゆっくり時間をかけて構成するのかと思ってましたが初めから飛ばしまくった選曲とテンションだったので「マジで失礼しました!」と思いつつ、ハイなペースと今までの活動とこれからの景色(ビジョン)を高濃度に詰め込んだMCにぐんぐん引き込まれ圧巻の90分が過ぎ去っていきました。

 

ーーー

 

過去の沖縄でのライブの経験から察するに、今回の公演の前には「MOROHAは対バンイベントのほうが輝くのでは?」と思っていたのですが、まさに曲間のMCでそのことに言及し、明確に否定してましたね。
「他の場所他の町で今、まさに今この今、ほかの強者ミュージシャンがあちこちのライブハウスやコンサート会場で演奏してて、そこよりも俺のがヤバい!」みたいなコト言ってました。

まーそれは上手いこといったと思いますが、私が今回彼らのヤバさに気がついたというか、打ち抜かれたのはこのような彼らのビックマウスっぷりなどではなく、彼らなりのHIP HOPにおけるサンプリング文化の利用方法でした。

 

前提としてざっくりと特徴な点を説明すると、HIP HOPには「サンプリング」と呼ばれる方法論があって。過去の音楽のアーカイブスを掘り出して一部を切ったり貼ったりこすったりしながら鳴らしつつ、自分のリリックを重ね全く新しい表現を生み出す手法があります。

つまり、過去の音楽の上に自分の音楽やリリックを重ねることで、過去も現在もフレッシュ!に輝かせる手法が「サンプリング」なんです。

 

そして、MOROHAが選んだ表現手法は、過去のレコードではなく、過去の自身の経験をベースにいまのリリックを重ねることで辛かった、悔しかった、やるせなかった過去ごと輝かせるという、人生や感情をサンプリングした音楽手法なのだと気づきました。

そして今回のライブ本編でもアフロがMCで「MOROHA音楽を聴いて感動した、とか泣いた!ということを言ってくれたりするけど、それは違うと思う。ふがいない自分に悔しかったり、遣り切れない自分に泣いているだけだろう!」というようなことを言ってました。これはフレッシュ!

 

その言葉が向けられた瞬間、ステージに向けられていた照明が逆光になり、ステージ上からフロアを照らす形で来場した人達に光が向けられました。逆光の中でアフロは「悔しいだろ!不甲斐ないんだろ?だからこの曲で泣いてるんだろ?」観客を問いただし、UKはその日一番強いストロークでギターをかき鳴らしてました。

すると、フロアのあちこちから止めどない涙が溢れてて、ステージとフロアは反転。
音楽がフロアにいる一人一人の為に鳴らされていることを音響的にも視覚的にも表現されていて、あの段取りはマジで強力すぎてズルいと思うし、これだけのダイナミックな演出はワンマンライブだから出来るよなーっと思いながら私の目にも涙が溢れて・・・・・いたような気がします。




聴衆の過去をサンプリングソースにしてマイクとギターでふるわせて、感情を呼び起こす。まさに「ビートはあなたの心臓音、ON!ON!ON!」ってやつですね、このMCを聞いてばっちりと繋がりました。
ジャンルとか曲の歴史とか演奏手法とか文脈とかとかとかとかとか、ハイコンテクストかつ細かくセパレートされているような状況を全部ぶっ飛ばして、観客の感情や琴線にダイレクトに直結させる手法はすごい!

だってみんなそれぞれ自分自身の思い出に関しての造詣は深いもの!過去が全体重かけて今の自分をぶん殴ってるようなアフロのエールはそりゃー強力ですわよ!!!

 

 

他にもライブで感じたのは
「新曲のフライヤーマンでギターブレイクしている時のAFROのラップが、いままでに無いくらいに今の日本のラップーシーンのモードに近づいているよな?」とか
「即興的な要素を排して、演劇的にもみえるようなステージングできっちり感情をかっさらうのSWAGを8年のロングラン公演で続けているのって演劇シーンとして見ても熱くない?」とかとか。

全然知らないくせに大げさなことを考えたりしましたが、「色んな視点での解釈の余地があるのですごい」ってコトが総合的な感想です。

 

 

とはいえ、MOROHAまだまだこれからだし、本人達はもっとすごい景色を見たい+お客さんと共有したいって想いがあるでしょうけれども、今回リキッドルームを満杯に出来たことは本人達はもちろん、ファンの皆様もいちいち喜ぶべき!と思ってます。

なによりシンプルだけど特殊な編成で、踊らせる訳でもシンガロンさせる訳でもない音楽を武器にしてどこまでいけるのかは、みんな楽しみにしているのでこれからもまだまだ山積みな彼らのやりたいことはIT'S A HISTORY CALLED BOOK OF LIFE/I JUST RELEASE MYSELF TO GO UP ABOVEな感じで、新しいフェーズに入ったMOROHAを楽しみにしたいですね!

(ゆれるみたいなアンセムだしてくれーーーーー)

 

 

 

 

おまけ

当日私はMOROHAの物販コーナーの片隅で、「日本グレーゾーン」というUKとエリザベス宮地制作のドキュメンタリーDVDのワンマン販売を行ないました!

監督に150枚の販売という過酷なノルマを課せられたのですが、大騒ぎしながら対面販売して無事にノルマを超えるハイスコアをたたき出し、メンバー一同、スタッフ一同をビビらせることが出来たのでそれはそれで楽しかったです!

 

 

 

 

 

MOROHA×エリザベス宮地「バラ色の日々」の話

いつでもこんばんは、ハイナです。
 
MOROHA「バラ色の日々」のMV ”として” 発表されたエリザベス宮地の最新作の話をします。
 
 
MVとしては長い9分半の作品だけど、映像作品としては集中しているうちに終わってしまう10分弱のフォーマットに、エリザベス宮地自身の恋愛の記録を凝縮されています。特に、端々に映像が入り込んでいるあたりが非常に生生しい効果をもってます。
  
こんなにプライベートで惚気に満ちたような作品がイタくならないのは、爆発しそうな気持ちをギリギリでコントロールしているMOROHAのVo.アフロの歌声と、硬質で美しいUKのギターの効果が大きく、そしてエリザベス宮地自身の撮影技術と編集技術を総動員して、この作品をパッケージするために腐心した結果かと思います。イタくはないけど胸にズキズキくる痛みがある作品です。
 
 
私がいくつかの宮地作品を見る中で、いつも宮地の冷徹とも言えるくらい客観的すぎる視点にはいつも震え上がってしまいます。このMVが始まった瞬間から、この映像の中の恋が終わることを誰しもが感じてしょうがないし、そしてだからこそ美しい笑顔と時間に溢れたこの撮影の日々が愛おしくなってしまう。この幸せな時間を再生された瞬間から終わりが約束されるMVという形式に押し込んだ、創作者としての宮地のクールさがめちゃめちゃ怖いです。
 
簡単に言えば、自分の恋愛をパッケージにまとめてYoutubeに流すなんて!!!!
 
だって、多くの人は、自分の思い出そして恋人の思い出を無料で不特定多数の人間に消費させるなんて考えられないのに、宮地は自分の人生の一部をネタとしてyoutubeに差し出したんですよ?
この動画が公開された瞬間に、かつての時間は宮地の手元を離れて、個人的な記録ではなくネタ(コンテンツ)として消費され始めます。自分にとってもかつての恋人にとってもこんなに冷酷なことってないとおもうんだけど・・・
 
 
でもそれが宮地の凄みだし、それが出来る稀なクリエイターなんだと。
 
 
なにより、日本中世界中に満ちあふれている平々凡々な恋人の時間を万人の観賞に堪え得る映像に仕上げている彼の手腕には震え上がる想いです。
たった9分半の有限な時間で味付けされたセンチメンタルな気分だけではなく、確かにいい写真といい笑顔が詰まっている分、余計にすごいんだよな。
結婚式のスライドショーでこんなに美しい写真が並んだらどんなに素晴らしいことだろうと思います。(でもこの恋は終わってるんですよ!!!!!!)
 
 
 
でも、確かにいい写真が沢山残ってて編集する手腕があるとしても、このアーカイブに向き合って、胸をひりつかせながらヒトリで綺麗な仕上げを行ない、公開するまでに至る動機はなんなのか?
 
 
 
もちろんそれは話題作りの為ではないはずです、彼はもう100本以上のMVを撮影しており十分なキャリアを積んでいるので、売名のためにプライベートの映像をさらす必要は全くないです。
 
 
それでは、ネタとして差し出してなにをしたかったのかと考えてみると、やっぱりこれは熱の供養だと思うのよ私は。
エリザベス宮地はこの恋愛とこの時間をちゃんとゴールさせたかったんじゃないかな?
 
その結果、この美しいMVが仕上がりました。
 
彼のフィルモグラフィーとしてはベルベットイースター。さよならみなみ。ミヤジネーション。と続く作品群の文脈を更新しているし、映像作家エリザベス宮地が業(カルマ)の深さが存分に存分に発揮されています。そして、映像作品を作るってことの残酷さと美しさをむき出しのまま担った記念碑になったと思います。
 
これからYoutubeを通して人々の共感や感情を引き出すことで、この映像を見る人がモヤモヤと抱えているかつての恋愛の思い出を昇華してくれるような役割を果たしていくんだと思います。
 
 
この平凡でいつの時代でもどこの町にでもあるような
丁度この映像に映り込んでいる僕みたいな君みたいな僕と君みたいな
全ての過ぎ去った恋愛を、MOROHAの音楽でゆっくりと溶かして・・・
 
 
夜に、風に流していきましょう。
 
 
 
 
 
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The lonely night discloses

just a passing breeze filled with memories

of the golden smile that introduced me to

the days of wine and roses and you.
 
酒とバラの日々 / Henry Mancini ~
 
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追記:私は辛くて恥ずかしくて恐ろしくなるからもう絶対見ないけどね!!

東京でやりたいこと

いつでもこんばんは、ハイナです。

 

3月末から東京に出向になりまして、日本橋のオフィスで勤務しながら東京スカイツリーどこーんな窓枠のすぐそばの席でプログラミングの勉強をしています。

就職して8年くらい経ちますがシングルタスクがこんなに幸せなこととは知りませんでした。とか言う話はいいんですが、せっかく東京来たので9月末までにやりたいことを書き出してみて、達成したら進捗と感想を書くことにすればブログも放置しないで済むじゃん!と思ったんです(いい考え!)

 

九月末までにやりたいこと!

・どっかでタイポップDJ、タイ人を5人くらい呼ぶ
・ODDLAND東京出張所の飲み会
・ODDLANDの関連イベント
・ODDLANDネタでトークショーに出演
・競馬(儲かんなくてもいい)
・wombで遊んだ後にタクシーで六本木いってテキーラ飲む
・自分で運転して東名にのる
・ろたすでラーメン
・美術館で半日過ごす
・早朝築地で寿司食べてから仕事に行く
・まゆみと三崎いって魚をたべる
・G-shelterブッキングを3件決める
・商業フェスに行く
・高校の友人の子供全員に会う
・高校の時の恋敵と和解
・ライブハウスでカッコいい人いたら必ず声を掛ける

 

いまのところ、こんな感じです。(平凡!!)
あと20回とちょっとの週末を使って効率よくつぶしていきたいと思います。

最後に、既に達成した「川崎ウェアハウスに行く」のを達成した時の記録写真を載せておきます。電脳九龍城って話はマジでした。

昔から憧れてたんだけど、いざついてみたら大好きな映画「TOKYO TRIBE」のロケ地だってコトが判明して全身が粟立ちました。

 

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JACK THE NICHOLSON'Sの話

いつでもこんばんは、ハイナです。

早速なんですが、明けましておめでとうございますなんですが、ニコルソンズ解散らしいんですよ。

 

結果的に解散ライブとなった新年夙川の儀では、なんにも知らないままの私がPAを担当したのですが、振返ってみれば2012年のデビューライブでもPAやってましたね。ニコルソンズのキャリアの最初からマジもんのラストライブまでニコルソンズの音を増幅/調整する役割が出来て嬉しかったです。

 


おもえば、2004年のピッピ隊音楽部のレコ発ライブで金城小町がフロントをやっていたone pintに出会ってから10年強…
私が金城小町のワンフであり続けている話は10年分割愛して、ニコルソンズには(ほぼ)デビューライブの時からやられっぱなしでした。いくつもの楽しい夜と嬌声と笑っちゃうような野外イベントのダンスのことなど色々なことを思い出します。一つ一つの強烈な記憶にニヤニヤします。

でも、なんだか最近はライブの機会が少なくなっていたり、メンバーそれぞれのバンドも動きが活性化してきたので、なんだか見られるうちに見なくてはならない気持ちが高まっていたため、つい先日のRODEOS企画→中野MOON STEPでのライブも東京まで見にいきました。凄く楽しかったのですが、メンバーにやたら歓迎されたのが変な感じだった。

そして、迎えた1/2(土)の新年夙川の儀2016の1日目。ニコルソンズが受け付けたチケットの数がやたら多いことを気にも留めず、間抜けにも「祝賀わの儀を大事にしてくれて嬉しいなー」とか思ってスルーしてました。※1


そして彼ら/彼女らの演奏を迎えると異常なまでに情熱のこもったライブになっていて、まるで年末のパーティーのオオトリのバンドのようなフロアの盛り上がりや、全てを出し尽くすようなメンバーのシャウトを浴びて「うわーーー、なんか怖いなーーー」と思っていました。壮絶すぎるアクトにビビりまくってました。


端的に言えば見たこと無いくらいかっこ良かったです。(1/2現在の感想)
 ↑最後なんだから当たり前だろタコ助!!(1/4現在の感想)


そして昨晩、祝賀わの儀の打ち上げ会場で、前掲のTwitterでの知らせを聞いたときに、思わず声が出て周りに知らせまくりましたが、どうやら皆さんご承知の様子で僕は馬鹿だ状態。

でも、最後の最後の時間にきっちり関われたし、天国のような地獄のようなパーティーの終わりのような、あるいは何かが生まれる瞬間のような演奏を見れたので全く文句はありません。ありがとうございます。


そしていまは、ハッキリと覚えているJACK THE NICHOLSON'Sの演奏や、ぼんやりと覚えているJACK THE NICHOLSON'Sのいた景色に想いを馳せている夜です。

 

 

 

 


ニコルソンズがかき鳴らした音楽の空間は、飲み会で誰かが調子に乗ってモンキーダンスをして爆笑を巻き起こすような幸せな時間が流れていて、でも音が鳴り止んだときにはなんだか寂しくなる不思議な余韻で溢れてました。
あるいは、バーで隣り合ったおっさんが勝手に喋りだす外国の話のように途切れ途切れで正体のつかめない魅力的な物語のようでした。

つまり、その時間が終わってしまうことが惜しくて終わらせたくなくて、誰しもがついつい100本目のビールの栓を開たくなるってわけ。

JACK THE NICHOLSON'Sの物語が鳴っている間は、私たちは無敵の物語の中にいられたのでした。ありがとうございます。



というわけで、昨晩に発表されたこの知らせから一夜明けて、まだみんながこの知らせに醒めきれておらず、二日酔いのグロッキー状態だとは思いますが、この真夜中の音楽隊は最初っから宣言していた約束をきちんと守って、見事船出を果たしただけなので、残された私たちもこれからしばらくのあいだ、幾つかの酔い記憶を引きずりながら、次の夜をどのようにやり過ごすかを考えるのがベターかと思います。



金城小町の詩をあんなに大量の楽器で鳴らしていた空間が4年間も断続的に続いていたことや、ぶっ倒れる量のアルコールを燃やし尽くすような幾十の夜があったことはものっそい幸せなことでした。誰も忘れないしそれでもゆっくり忘れていくのが音楽なので、これからもロックンロールと暮らしとブルースと人生と爆笑とラスティックとジャグとパンクをそれぞれで続けていくのでしょう。




さて、長くなってしまいましたが、そろそろ皆様のお手元にグラスは行き届いたでしょうか?
湿っぽい感じになってしまいましたが、メンバーの誰もいなくなってないし、小町ももう骨折していませんので、これからも楽しく踊りましょう。
そして、今夜のビールはリーダーであるサルくんの奢りらしいので皆さん多いに飲みましょう

 

 

 

 

 

 

 


乾杯!!!

 

 

 

 

 

注:※1もちろんイベントのオファーを受けてくれたこと自体でも十分大事にしてくれている。わかる。わかっている。

最近のこと【韓国旅行】

いつでもこんばんは、ハイナです。

すっかり1年くらいブログを放置していたのですが遠方の友人たちに
手紙を書くような気分でぼちぼち再開します。

このエントリーのタイトルは、東京のカルチャーイーターである
青春ゾンビのhikoさんの好きなタイトルから引用。

 


韓国旅行の話


今月、生まれて初めて韓国旅行にいきました。
特に目的は決めてなかったのですが、狭い辛い安いでおなじみのLCCpeach那覇-ソウル分が往復1万円をきるキャンペーンをやっていたときにまんまとチケットがとれて、ほっといたのですが
日程が1週間前になって慌ててホテルを決めて、ガイドブック見たりして何となくやること決めて出発。

 


【初日〜明洞と弘大の空中キャンプ12周年】

旅行とはいえ、休日はゆっくり家で寝たいので、夕方の便を抑えていたのですが、もはやLCC利用者の常識のごとく、飛行機が1時間遅れで到着し、19時くらいに到着し、めちゃくちゃ場所が分かりづらいため雨の中1時間くらい迷ってチェックイン。

今回泊ったのは、2nd casa hotelって所で印刷工場の並ぶエリアの脇にポツンとあって、2名で2泊してちょうど1万円くらい。安い。

受付は中国人のねーさんがやっていて、受付の雰囲気的にも長期滞在のお客さんがそのままスタッフになったんじゃないかなーという感じで、狭い廊下や古いエレベーターなども全てDIYで清潔に保たれてる様子でした。(値段相応っすね。)

そんで、雨の中で長時間歩き回り傘を壊してしまったため完全にダルい感じになっている恋人?パートナー?をタクシーにねじこんで
弘大エリアの空中キャンプというライブハウスにin.

12周年のパーティーが開催されているとのことで、DJにbiomanとスペシャルライブでAlfred beach sandalですごいラッキーな組み合わせを着席スタイルで見られるの嬉しいです。ビールと食事もテーブル席で楽しめるし最高です。ここでの接客が韓国滞在中でダントツ一番に素晴らしかったのでコミュニティー感じるスペースの凄みを感じました。

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そして、BiomanのDJを楽しみながら、遊びに来ていたWedanceのお二人とちょっと話たり、ABSの面々にご挨拶したりしてたら、予定されていた時間が来たというか、時が満ちた感に合わせてバンドの演奏が始まる訳ですね。ABS一曲目はこのお店に合わせて「いかれたベイビー/フィッシュマンズ」のカバーをご披露し、当然お客さんのシンガローンもありで、みんなで歌うと楽しいモノですね〜トッポギうまいしビールもうまいな〜という気分と旅するようなABSの音楽と、何故かバンドの後ろで延々再生されている、お店の常連さんたちの思い出スライドショーが自分自身の初韓国旅行気分にばちこんマッチした気分が心地よくって、その日はすぐにホテルに帰って寝ました(※)。

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[※本当は部屋でShow Me the Moneyという、ラッパー育成のTV番組見てた]

 



【2日目〜カンナムとホログラムライブ】

2日目は早起きして、事前にアポ取っていた韓国人ディーラーの方と待ち合わせして用事を済ます。いい買い物できてうれしい。
その後、オッパカンナムスタイルの高級通りをぶらつくも、成城石井っぽい価格設定のご飯やブランド品の山に歩くスピードが上がるばかりで困らせていました。それで、小雨の中を気になっていたcommongroundを訪問しウオー−−−というテンションになり、買い物をぶちかまそうと思ったのですが、そうは問屋が下ろさない。夜の問屋街にいくまで私は全くお洋服を買いませんでした。いらないから。

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それでそれで、それよりもなによりもK-LIVEってやつが素晴らしかったのでして

 

 

K-popブームの生産工場であるYGエンターテイメント資本の大きなホログラムライブ会場に行って来ました。最近、横浜にDMMが作ったhideのホログラムライブが気になっていたので、ちょうどなタイミングでホログラムライブを体感できるって凄いですよね?横浜orソウルって選択肢がマジ沖縄っぽいと思いました。
15,000ウォンの入場料を払い、ズラッと並んだK-POPアーティストグッズを眺めながらあっとゆう間に開場時間。なんだか興奮して最前列に並んで入場しました。なぜか入場直後に腰を屈めてプリクラみたいなブースで顔ハメ写真取らされてから、着席。
今度は時間で動いている世界なので、プログラムの予定時間ぴったりにライブがスタートすると…
なんと舞台上にPSYが登場したのです!!!!うおおーーーー。ホログラムの実在感スゲーーーー!!!!!とめちゃくちゃ興奮。
そして、エンターテイメントを練り込んであるのは、実在感だけにとどまらず。ホログラムで現れたアーティストが粒子化したり、巨大化したり消えたり燃えたりと様々なエフェクトで視覚を楽しませてメガチェーチャラガ!ファンタスティックなベイビーなんですよ。
しかも、入場直後に撮影した顔ハメの写真がホログラム人間のMCでいじられたり一緒に踊ったりして嬉しい楽しい大好きって気分でした。

会場の音は凄く綺麗なサラウンドシステムで、多分スタッフは3人とかで回しているのに集客は毎回100人くらいはいそうな感じです。一日に8回くらい回しているだろうからーすげーーー効率のいいプログラムです。自動再生できるポップカルチャーのポテンシャルが恐ろしいやら楽しいやらで夕飯は100%ローカルなお客さんで一杯のお店でタッカンマリ食べました。隣の韓国人のおじさんグループが小さいスプーンで大きい鍋のスープを掬って、目を細めてうまそうにスープをズルズル啜ってんのが最高で、オッパ真似して啜ってました。

 



【3日目〜帰る】

翌日はせっかくの短期滞在なので早起きしていけていないところ回りましょうとかいう意見は我々議会においては発議もされず、ギリギリまで寝てからチェックアウト。ロッテマートは「女性は買い物が大好き山脈」と化しており、戦場の中の休息地帯であるフードコートでトッポギ食べてやり過ごし、憧れの牡蠣キムチを購入して空港→peachの狭い空間で「世界の辺境とハードボイルド室町時代」を読了して那覇に戻りました。
実質2日もいられなかったけど、家にいても那覇にいてもソウルにいても、いい音楽とうまいもののをいいメンツで味わえたら最高って事が分かりました。はい。

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*2

 


今回行けなかった、cakeshop(クラブ)とか焼き肉(どこでも)とかwedance(すき)のライブとかもいきたいし、現地に友達作らないとリアリティー無いのでまた安いとき見計らっていきます。

 

 


それでは!닭!!ブログエントリー継続できるよう頑張ります!
     ↑唯一覚えたハングル。鶏のこと。

*1:commonground

*2:売り場の真ん中にいきなりあるフードコート

ハンディ松野/ロックスター(殺沼蜘蛛助cover)Sexy Big Booty Girl Video remix

いつでもこんばんは、ハイナです。

 

既にハンディー松野のブログにも上がっていますが沖縄のaikoこと殺沼蜘蛛助の「ロックスター」という曲を我如古ファンクラブ4号(Dr.)ことハンディー松野がカバーしたリリックビデオが先日youtubeで公開されました。

 


ハンディ松野-ロックスター[cover](Lyric Video) - YouTube

 


私はこのカバーの仕上がりそのものが素晴らしいことはもちろん、ハンディー松野が殺沼蜘蛛助の楽曲を選んだ理由やカバー制作の衝動に思いを馳せてさらに納得しています。

 

 

殺沼蜘蛛助

私が理解している殺沼蜘蛛助の創作活動とは、共感を呼ぶことでもなく、笑いを取りにいく訳でもない。そして踊らせるわけでもなくただひたすらに日常の風景をカットアップして救い上げた詩にHIPHOPフリカケをまぶして、観客の頭上50cmに全力投球しているイメージです。お客さんにもHIPHOPにも彼が尊敬して止まない(と言っている)aikoにでさえも媚びることなく、自分の観ている世界を表現し続ける業(カルマ)には、ゾッとしたりグッと来たりしています。

 

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<見よ!このまっすぐな目つきを 〜photo fromオトノメモ〜>

 

 

ハンディー松野

そして、毎日生活の記録をupし続けているハンディー松野は、殺沼蜘蛛助の拙くもそんなまっすぐな姿勢や溢れ出てしまったといか思えない楽曲制作の姿勢に共感、あるいは憧れを抱いているのではないでしょうか?
まつのーーとで日々更新される自室で編集した独り語り的な日常風景の動画を通して、あるいはSoundCloudで更新されるcorocoroアカウントの宅録楽曲には、日常風景にコミットできずにしかしその美しさを切り取ろうとしている表現者の姿が感じられます。
 このように徹底的に一人称な自室で宅録な表現が組み合わさったものに対極的となるような要素を入れてみようと思った私は、仕事の合間にフリー素材で拾ったロシアのチャンネーを動画を入れてみました。

その組み合わせが想像以上にハマったので、ハンディー松野に連絡しYoutubeで公開しました。

 

 

チャンネー

思えば、肉感的なダンスを踊るチャンネーなんて、我々が通っているライブハウスにはおらず、さらに我々の通うクラブにおいてもリアリティーの薄い存在なのです。親近感を軸に考えてみれば2次元キャラよりも遠い存在かもしれない。


そんな存在の遠いチャンネーを彼らの映像がもつ自室制作特有の閉塞的な協同作品の前景に配置することで、映像に下世話(リビドー)さと肉感(ビート)を加え、でもやっぱり表現の空間は閉じたままって雰囲気に仕上がったと思います。伸びない再生数も閉塞感を補強してくれて良い感じ!

私の作業にかかった制作時間は2分くらいなもんで(エンコーディングには1時間)ほぼナンにもしていないため、当然思い入れがない仕上がりになりました。結果としては、自分の成分が無臭なので何度観ても楽しいのでラッキーに思います。
みなさまにおきましては、暇つぶしや就寝前のいち動画としてお楽しみいただければハッピーに存じます。

 

 


*1 ...

 

 

 

 

*1:ハンディ松野/ロックスター(殺沼蜘蛛助cover)Sexy Big Booty Girl Video remix

60人の公開搬入インスタレーション"うるさい"参加作品

いつでもこんばんはハイナです。

 

先日高円寺はPockeで行われた展示会”うるさい”に参加しました。

http://urusai.club/

"うるさい"は、高円寺のPockeという6畳の展示会場に60人のアーティストが”うるさい”作品を展示するというもので、初日に公開搬入や作品の演奏orsomethinglikethatなパーティーが行われ、その後それらの作品やパーティー残骸が一週間放置されるといった企画です。(全容がわからないけど、この展示会の告知記事はコチラ)

 

主宰の一人もしもしさんに誘ってもらって当日会場入りしてからなにやるか決めようと思っていたのですが、東京入り出来なかったので搬入開始前に予想とねつ造を駆使してパーティーレポートを書いて会場で配布しました。

 

もし、会場に行かれた方はその場所の様子との差異をお楽しみいただき、行っていない方はこのレポートの内容から当日の様子を追体験いただければと思います。

 

以下、やってないパーティーの体験者によるリアルな記録です。

 

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うるさい” 最速レポート

 

       1/10に東京高円寺Pockeで開催された「うるさい」では、わずか6畳のスペースに60人のうるさいことをする人が集まり、作品が公開で搬入あるいは演奏そしてパフォーマンスされた。私が体験した範囲で(なにせ60人も作家がいるのですべてを把握することができない)搬入日の様子をレポートする。

 

まず、当日の搬入開始時間前に誰よりも先に会場に到着しハシゴのような階段を上がると、すでに会場には運輸会社の配達表が貼られっぱなしの小包がいくつかとおおきな段ボールが4つ、そしてペイントされた石やデコ木工な品々が一箇所にまとめて置いてあった。6畳の狭い会場を見渡しながらこれからどんな”うるさい”ことがされるのかについて考えていると耳に障るような微かな音が聞こえてきた。音の正体が分かりづらいほどの小さな音でしゃわしゃわと鳴っている音を探ってみると、どうやら会場の窓際から聞こえてくるようだった。窓をあけ、人が一人ギリギリ座れるくらいの出窓スペースを探してみるがそれらしきものは見つからない。

窓をあけてきょろきょろしていると、滑車ごしに向かいの建物の2階の窓が開いていることに気がついた。その窓の向こう側ではジンギスカンのメインボーカルの格好をした男性が、スピーカーを入れたローソンのビニール袋をぶんぶん振り回しながら集音マイクでその音を拾っていた。謎のシャワシャワした音はその男から発せられていたのであった。(後から聞いた話によると、彼は”うるさい”に参加している『エスペラントノイズ』氏で、誰よりも早く搬入するために昼頃からセッティングをしていたとのこと。)

そして、そのノイズを薄ら聞きながらもぼちぼちと参加作家が集まり始め小包の封が解かれ作品が持ち込まれケーブルが配線されていった。18時開始される公開搬入前に準備が整いきるわけはなく、参加作家が全員集合する訳もなく”うるさい”展の公開搬入が一般向けのオープンされる時間となり、搬入パフォーマンスが開始された。

 

スタートしてからの公開搬入はまさに怒濤のような”うるさい”音や”うるさい”イメージに満ち満ちていた。中でも印象的だったものをいくつか紹介したい。音について印象的だったものを挙げると、前述した『エスペラントノイズ』が会場の向かいの建物で演奏を行っているというルール(あるのか?) 破りでショックを受けたが、手品ユニット『液体窒素呑ノ介呑五郎』による反転サウンドイリュージョンも衝撃的であった。参加者の声をその場で反転させる逆位相の声マネで発話者の声を打ち消すという消音芸で観客の喝采を浴び喝采も打ち消していた。『谷保石造り連盟』が高円寺の街で盗聴収集した会話のみでサウンドコラージュした演奏も、邪な好奇心を炙り出しざわざわとした作品だった。他にも会話をモチーフにした作品だと『嘉手苅志郎』の音声認識におけるズレを反復させる作品は、その”うるさい”環境でのストレスを純度の高い結晶に生成し、タイポミスと聞き間違いを癒着させるうるさい作品であった。そして何よりも観客の関心と心配を集めていた『田田田田(B.B.G)』の下剤アンプリファイヤーでの腸内サウンドは大腸ピックアップで増幅された消化音よりも、腹を下した本人の発する絶叫や悲痛なうめき声の方がうるさく感じ、観客の気分を害し続けたという点においても、最も危険で不穏なうるささを体現できていたように思う。

 

また、音に限らず立体物や映像やパフォーマンスでもなかなか"うるさい"体験でも印象に残るものは多かった。

人間魚拓をおこなった『湯浅ちひろ』は、雑誌や映像で表象される女性の身体の視覚的なイメージではなく、抱擁(やセックス)あるいは授乳などで触って知覚する身体を転写するパフォーマンスを行い、肉体のボリュームを"うるさい”までに引き出していたし。母をモチーフにした『オレンジヶ谷』の天井からつり下げたN901iSの背面ディスプレイに「母」と表示され続ける作品の無邪気さには安堵を覚えた。

 

以上、紹介できたのは一部ではあるが、上記のような音やイメージや身体を持って入れ替わり立ち替わりで合計60名の作家がそれぞれの”うるさい”を搬入し、それぞれの作品の”うるささ”がいくつにも折り重なって空間と時間を満たしていた。

 

 

 

人間魚拓を撮っている最中の腰アタリで下剤を飲んだ男が苦しむ頭上の携帯では母からの着信があるが聞こえる音は幾重にもエフェクトを掛けられたAMラジオの音源のビートに合わせた極々個人的な心境を語るラッパーが目にしていたのは120サイズの段ボールの中に閉じ込められたぬいぐるみが工場で吹き込まれた台詞を誤認識してMacのテキストにズレが生じた分だけブラウン管の走査線が揺れる。

 

まるで世界のような状態になっている。

 

 

 

こうして搬入時間の間中、6畳ほどのスペースは音や作品から発せられるうるささは同一空間で作品同士が混ざらないままの曼荼羅となっていたが、はたして11日以降の展示でこのサイケデリックスがどれほどの威力をもっているかにも着目したい。

また、これから展示期間に足を運ぶ際には押し迫ってくる”うるさい”作品だけでなく、会場の隅々にちりばめられた”うるさい”作品の断片にも目をやってほしい。当日の喧噪が鳴り止んだことで作品の数々に埋もれていた”うるさい”に気がつくこともあるかもしれない。

 

”うるさい”は重層的なのである。

 

 

 

Report by 817.2015/01/10 16:30

 

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